2年理系オナー 埼工大連携講座①
9月5日(土)より、2年理系オナークラスの埼玉工業大学との連携プロジェクトが始まりました。

 
 本校の生物系の連携講座としては、昨年度よりお茶の水女子大学の協力による海洋生物の実習、及び県水産試験場の協力による水生生物の実習を行っています。今年度、遺伝やDNAのしくみという「生化学」の分野について初めて計画しました。この講座は埼玉工業大学にご協力をお願いしました。この日は生命環境化学科の石川正英教授にご来校頂き、講義をして頂きました。
☆1,2時間目
 メンデルから始まった遺伝の基礎から始まり、DNAについて、その複製の方法やタンパク質の合成のしくみを学びました。
 遺伝子を分子レベルで理解しました。DNAのヌクレオチド鎖はリン酸と糖の他、A、T、C、Gで表される塩基がついています。これがほどけて複製します。
 タンパク質の合成を動画を使いながら学習しました。実際に解読の練習もしてみました。
 遺伝子工学の応用面もお話しして頂きました。遺伝子レベルでの病気(例えば鎌状赤血球など)の原因を考察すること、がんや糖尿病や心臓病など遺伝子レベルでかかりやすい病気を判断し患者の遺伝子にあった治療を行うこと、DNA鑑定などです。

☆3時間目
 遺伝子組み換えの技術について学習しました。最後に石川先生の研究室の研究内容もご紹介頂きました。
 糖尿病にはインシュリンの注射が必要ですが、これを早くつくるために大腸菌の繁殖を利用する方法があります。すなわち大腸菌にヒトのインシュリン遺伝子を組み込んで繁殖させるわけです。食物の品質改良は何代にも渡って掛け合わせをしていくため膨大な年数がかかりますが、遺伝子の組み換えそのものは、どの生物かは関係なく組み替えることができるため、安全性が確かめられれば、大変有用な手段であると考えられます。