2年理系オナー講義「課題研究の進め方」
5月25日(金)、2年理系オナークラスが群馬大学教育学部より准教授岩崎博之先生をお招きし、「課題研究の進め方」について講義を受講しました。

 
 オナークラスが発足して6年目になります。本校では、これまで行ってきたオナークラスでの体験活動を発展させ、本年度より課題研究や探究活動を行うプログラムを組み入れる予定です。教科書や授業で学んだことをもとに、各自或いは各グループで課題を設定し、学んだ知識を利用して調べ、探究していき、最終的にその結果を発表することを目指します。この日はまず最初に校長の挨拶にてこの目的を示され、続いて岩崎先生への講義に入りました。
 岩崎先生は、日本で2番目に物理学賞を受賞された、理学博士朝永振一郎先生の言葉を引用し、「不思議だと思うこと これが科学の芽です よく観察してたしかめ そして考えること これが科学の茎です そうして最後になぞがとける これが科学の花です」と伝えられました。しっかり丁寧に観察して確かめ、最後になぞが解けることは大変すばらしいことです。しかしながら何よりも大事なことは、一つ一つの自然現象に対し「不思議だと思うこと」です。これなくして科学の探究はありえないということです。
 事前に興味のある、調べたいことがらを調査しましたが、岩崎先生は何人かにテーマを聞き、なぜその疑問を持ったのかをしっかり答えさせました。生徒達はその問いに対し、自分の言葉でしっかり説明しようとしました。
 続いて、探究活動の一例を示され、各グループで取り組んでみました。「北」について調べてみるという探究です。テーブルの四隅に方位磁針を置き、振れの角度を調べてみました。その角度はそれぞれ違いました。それはなぜなのか、色々な角度から考えました。しかし考える上で必要となる知識も教えていただきました。北極海の近くに「北磁極」という、地球内のS極の中心となるものがあり、これは毎年移動しているということや、鉄にはキュリー点という、強磁性の性質が突然失われる温度があるということです。ある方向に磁性を持っていた鉄が高温になり、もととは違う向きの外部磁場中において冷やされると、別の方向に磁性を持つということです。また、実験室には下水管が使われ、これにも鉄が利用されており、磁性を持っていることも角度が違ってくる原因になる、など示していただき、課題を解決する上で必要となる知識をもとに、色々と考える方法を学びました。また終了後、生徒代表より謝辞をお伝えしました。