2年理系 および 1年理系オナー 出前授業
 12月4日(火)、2年理系3クラスと1年理系オナークラスを対象に、大学および研究所より講師をお招きし、7講座に分かれて、より進んだ内容や先端の研究にまつわる講座を聴講しました。

 
 有機化学、情報科学、生化学、物性物理、地球科学、脳科学、地球・宇宙計測の7講座に分かれ、事前に希望した講座を1つ選択し、各会場において聴講しました。どの講座も生徒は熱心に聞き、積極的に参加しました。普段聞くことができない内容や、普段行うことのできない実験などを通して、先端技術を楽しく学びました。この講座により、生徒各人は進路実現へのより強い意識を持った様子でした。
☆有機反応機構[有機化学](埼玉工業大学教授 浜名浩先生)
 前半では、化学反応によって光を発する「化学発光」のしくみや、代表的な化学発光物質であるルミノールの合成方法についての講義を受けました。後半では、3-ニトロフタル酸ヒドラジドの還元によるルミノールの合成を班ごとに行い、得られたルミノールをヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウムと反応させて発光を確認しました。また、ルミノールをマウスの希釈血液と反応させて発光を確認し、犯罪捜査の血痕検出にも化学発光が利用されていることを学びました。なお、ルミノール発光実験の動画はこちらから見られます。
 
☆Raspberry Pi、Scratch等の活用講座[情報科学]
 (埼玉工業大学名誉教授 井門俊治先生)
 Raspberry Pi、Scratchを用いて、プログラミングを行いました。最後は電子工作まで行い、Scratchを用いたLEDの点灯制御まで行いました。BASICやFORTRANなど、これから先、理系ではこれらの言語を用いてのプログラミングを行う機会が出てきますが、その構造を知る上で大変役に立つ講座をしていただきました。
 
☆外敵から身を守る粘膜防御のしくみ~胃が自分自身を消化しないのはなぜ?~
 [生化学](神奈川工科大学教授 栗原誠先生)
 「胃が自分自身を消化しないのは、なぜ?」と題してご講演いただきました。胃酸とペプシンによるタンパク質の分解を、構造式から説明していただきました。日頃、食物を普通に食べている私たちですが、消化という行為はとても複雑で難解であることが理解できました。また、ビデオをみることで最新の研究である、胃粘膜内で生成された胃酸や消化酵素がどのように胃中に出ていくのかが、視覚的に捉えることができました。
 
☆磁石なんでも講座~人は磁石にくっつくか?~[物性物理]
 (足利大学教授 横山和哉先生)
 超伝導や磁性につながる内容を想定して講座を行っていただきました。最初には磁石や磁場の基本的な知識から始まり、鉄が磁性を持つ理由や磁石がなぜできるのかを講義していただきました。次いで電磁誘導の性質を利用し簡易スピーカー製作の実習を行っていただきました。続いて超伝導の基礎的知識をお伝えいただき、リニア新幹線やMRIなどへの応用例を示していただき、人が磁石にくっつくかどうかの考え方も示していただきました。最後に液体窒素で高温超伝導の様子を実演していただきました。その様子はこちらこちらから見られます。
 
☆未来を予測する数学~地球温暖化と天気予報~[地球科学]
 (東京都市大学教授 堀越篤史先生)
 高校の数学で学ぶ漸化式を応用することで、天気予報や気候変動など未来のことを予測できることを学びました。また、地球温暖化については観測事実と仮説を分けてスッキリ理解できる内容でした。
 
☆脳科学について[脳科学](群馬県立県民健康科学大学教授 柏倉健一先生)
 脳科学が発展してきた経緯なども解説してくださり、大変興味の持てる講義でした。事故や病気で脳にいろいろな影響が出ている人たちの事例が今日の脳科学の発展に繋がった事も知ることができました。現在は生きている人の脳をMRIで画像解析ができる時代となり、ますます脳科学は発展していくのだろうと改めて思う講義内容でした。
 
☆4次元デジタル地球儀で見る地球・宇宙計測の最前線[地球・宇宙計測]
 (情報通信研究機構 塩田大幸先生・陣英克先生)
 ロケット打上げの映像を見せていただいたり、惑星や地球の実態の映像を地球儀に写したものを見せていただいたりし、視覚的にこれらの状態について学び、オーロラの現象について、地球で起こる現象を中心に学びました。 また、超高層大気や、それによって日本に起こる影響について学びました。プロジェクターや4次元デジタル地球儀を用いて解説いただき、大変興味深い学習となりました。