2018年度 米国研修旅行



国際交流課

 
1日目 3月17日(日)    

 菱華会館に全員が元気に集合し、校長先生から改めて安全管理に関しての注意点、そして「内向きにならないように」とエールをいただき、多くの保護者様、先生方に見送られながらの出発となりました。日曜日ということもあり、高速道路も混むことはなく順調に進み、三芳パーキングエリアを経て予定よりも30分ほど早く羽田空港に到着することもできました。空港では各自自動チェックイン端末で手続きを行ったため、少し苦戦する様子は見受けられましたが、無事に手続き完了。荷物預け→セキュリティチェック、そして出国手続きへと進みました。飛行機も定刻での出発で幸先の良いスタートとなりました。

 次に羽田からミネアポリスへ。ここではアメリカへの入国審査やボストンへの飛行機の乗り継ぎとなります。ここでは30名規模の人数、またデルタ航空職員より他の便が到着、何百人もがこちらに向かっているという情報があり、慌ただしく入国審査へと向かいました。審査は皆緊張の面持ちでしたが、審査後聞いてみると拍子抜けするくらいに質問もほとんどなく、中にはいきなり「コンニチハ」という日本語で面喰いましたという生徒もおり、トラブルなく全員無事にアメリカへの入国を果たすことができました。そして最終目的地であるボストンにもほぼ定刻で到着。機内ではフライトアテンダントに折り紙を渡した生徒もいて、降機後、うれしそうなクルーの一段に声をかけてもらいました。その後、空港近隣のホテルに移動し宿泊しました。
 
【羽田空港にて】

 
【ボストン空港にて】
   

2日目 318日(月)    

 昨晩は長距離移動のあと夜遅くにホテルにチェックインしたため、生徒たちの様子を心配していたのですが、朝食会場には集合時間から逆算してもかなり早い時間から生徒たちがきていました。その後、バスで語学学校FLSに移動し、簡単な本日のスケジュール確認、そして早速プレイスメントテストを受験しました。選択式の問題でリスニング及び文法・読解問題に取り組みました。テスト後の感想では「2割くらいしか理解できなかった…」「6割くらいはできたかな」などとそれぞれに手ごたえを感じたり、またショックを受けたりする生徒もいました。

 午後はアメリカ建国の舞台となったボストンにおいて、18世紀の衣装を来たガイドの案内で、ボストンコモン(全米最古の公園)、ジョンハンコック・サミュエルアダムス・ポールリビアが眠るグラナリー墓地、ボストン虐殺地跡など、歴史が変わるきっかけとなった事件、人物にまつわる史跡、建物等を巡るフリーダムトレイルの散策を行いました。時差ボケ、そして日差しはあるものの風はかなり冷たい厳しい環境の中、現地ガイドの説明に真剣に耳を傾けていました。日本人の高校生向けということで簡単な単語や事前知識が(アメリカ人と比較し)あまりなくても分かるよう配慮をいただいての説明でした。「難しかったけど事前に学校で教えてもらっていたので、何とか理解できました」と、少なからず手ごたえは感じられたようでした。そしてフリーダムトレイルツアーの後はいよいよホームステイ先に移動となりました。
 
FLS Tシャツを着て記念撮影】

 
【フリーダムトレイルの様子】

3日目 319日(火)    

 本日は語学学校へ初の自力での登校でした。気合を入れれ30分前には到着しているペアもいましたが、「バス停が分からない」、「バスが遅れている」、「目の前でバスを逃した」などいろいろな連絡があり、集合時間に間に合わないペアもいました。連絡を必ずする、時間に余裕を持って行動するということを確認しました。

 午前はレベル別の英語レッスンがスタートしました。FLS BOSTON(語学学校)の授業スケジュールは90分の授業が2コマで、時差ボケ、長時間の移動の疲れが残っており、集中力がなかなか続かなかったり、本場の発音や長時間に及ぶリスニング教材に苦戦をしたという生徒もいましたが、概ね楽しく取り組めたという意見が多かったです。また休み時間中には早速他国生やFLSスタッフにお菓子を配る様子も見られ、何とか交流できるよう前向きな行動も見られました。ただ、単純にお菓子を配るだけなく、明日は用意してきたものを”交流ツール”として活用してもらいたいという話をしました。

 午後前半はボストン在住20年以上、IT・医療関連業種を中心にマーケティング会社を経営している松川原 康市氏より、日米両方の社会や企業を知る立場から、①AI時代どうやって生きていくのか ②投資家から学んだこと というテーマで、これから生徒たちが、どのようなスキルや思考をもっていなければいけないのか、今まで以上に高度な能力が求められる状況にどのように適応して行けば良いのか、といった貴重なお話をいただきました。世界を舞台に働く松川原氏の言葉は、力強く生徒達の心に響いた様子でした。

 更に盛り沢山な午後後半は、引き続き松川原氏に案内をしていただき、CIC(Cambridge Innovation Center)を訪問しました。CICはスタートアップ企業をはじめとした様々なジャンルの会社が、その垣根なく働く、新しいワーキングスタイルを提供する企業です。ここではCIC Japan deskの李亜氏にその魅了をお話いただき、さらに教育関連事業を立ち上げた企業家綾花氏、そしてボストン郊外のBabson CollegeMBAを学びながらインターン生として働いている野口氏にも加わっていただき3グル―プに別れてのディスカッションをしました。3名それぞれが言い方は違いますがアメリカでは質問をするのが当たり前で、質問をすることや自分の意見を言うことの大切さをお話しいただけ、たくさんの質問やリアクションを引き出していただきました。
 
【松川原氏の講演】

 
CICでのディスカッション】
 

4日目 320日(水)    

 昨日は初日ということもあり雰囲気が硬く、緊張感漂う授業風景だったのですが、今日の1コマ目はクイズで盛り上がったり、リアクションが外まで漏れ聞こえたりするクラスなど、アクティブで楽しい雰囲気となってきたようでした。休み時間には昨日に引き続き、持ってきたお菓子で何とか交流をはかろうという姿も見られましたが、一歩が踏み出せない、ついつい日本人同士、日本語で話してしまう、そのようなもったいない状況も多く見られました。頭で分かっていることを行動にいかに移すことができるのかが課題です。

 午後はハーバード大学の訪問です。気温は10℃近くまで上がり、風もなくようやく春の気配がしてきた気持ちの良い気候の中、大学院博士課程4年 東洋文学を専攻されている趙氏にご案内をいただきました。中国出身で英語はもちろん日本語も話せるトリリンガルの彼女、案内は日本語で行っていただいたので生徒からの質問にもざっくばらんにお応えいただきながらの見学となりました。まずは待ち合わせ場所でもあるジョンハーバード像から、サイエンスセンターにある歴史的科学装置が展示されているPutnam Gallery・デザインスクール・美術館・ワイドナー図書館など大学内の施設を見て周りました。生徒からは学習方法に興味があったようで言語の学び方に関する質問が多く見られました。Galleryや美術館などこういった訪問では通常見ることのできない施設も見せていただくことができ、本当に貴重な時間となりました。

 
【授業風景】
 
【ジョン・ハーバード像の前にて】
 
【ハーバードツアーの様子】

5日目 321日(木)    

 語学学校での授業は本日含め残り2日、授業はもちろん、他国生と何とか更に深い交流をしたい、という気持ちが強くなってきている様子でした。特に今日は授業だけでなく休み時間や、お昼休みに自由にランチをとることができる最後の日ということもあり、何とかクラスメートや先生とランチタイムを楽しもうと必死に働きかけている姿が見受けられました。もちろん他国生や先生たちにも予定があるため、誘った全員が全員一緒にランチとはなりませんでしたが、ここで出会った他国生や先生にこの研修で一番の熱量でアタックしていました。

 午後はMIT(マサチューセッツ工科大学)を訪問し、大学院で化学生命工学を専攻、研究されている吉永宏佑氏にキャンパスツアーをしていただきました。まずはぜひ聞きたいことがあったらどんどん質問をしてほしいというメッセージをいただき見学がスタートし、最初に学生が利用できる陸上トラックに特別に入れていただき、隣接するMITがあるケンブリッジ市内最大の総合体育施設(ジム)のお話や、寮の話などMIT生の生活部分の解説をいただきました。その後、場所を移し、MITで最も有名なグレートドーム、そして実際に学生が使っている教室、また所長が伊藤穰一氏・副所長に石井 裕氏、さらに特別研究員としてサッカーの本田圭介氏が任命されるなど、日本人も活躍するメディアラボ等、世界的にも有名な最先端の研究施設や、MIT名物の学生による「いたずら」HACKの話しも伺いながら、見学を行いました。

 
【昼食の様子】 
  【グレートドーム前にて】
  MITの教室にて】

6日目 322日(金)    

 本日の午前は早くも最後の英語クラスとなりました。生徒たちにとってはこちらのスタイルにも慣れてきて、ようやくクラスメートとも打ち解けてきたタイミングでの最後の授業、名残惜しい気持ちが強く、講師・クラスメートと別れを惜しむ様子が印象的でした。感想をきくと「もう終わってしまった。まだいたい…」と残念がる生徒がほとんど、寂しいですが充実した英語クラスとなったようです。この日のお昼はこの1週間の労いということでアメリカらしくとっても大きなピザのランチをいただきました。そしてここでサプライズ!FLSスタッフと他国留学生が本日誕生日の生徒のためにボストン名物クリームパイを持ってバースデーソングを歌いながら登場し、即席の誕生パーティとなりました。アメリカでのサプライズ、このホスピタリティは生徒皆の心に響いたものと思います。それから修了証授与式。初日、強張った表情で緊張した様子だった生徒たち、FLSスタッフと楽しげに話す様子も見られ、1週間と短期間で順応が試され厳しい環境を無事に乗り切ることが出来ました。

 午後はナタリア氏の案内で、全米最古の地下鉄グリーンラインを使い、世界的にも貴重な収蔵品が多数展示され全米でも屈指の規模を誇るボストン美術館を見学しました。最初の1時間はナタリアさんに主にアメリカの美術品を説明いただき、その後自由に館内を見て周りました。この規模の美術館を見て周るには半日では短いですが、限りある時間の中、生徒たちは自由に興味のある場所を散策し、クロード・モネの「ラ ・ジャポネーズ」、ゴーギャンの最高傑作といわれる「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」や古代エジプト、ギリシャ美術や、さらには日本の仏像等、思い思いの展示物を見学して周りました。世界の本物に触れることが出来た今回の見学で、勉強だけでなく芸術(アート)や文化にも興味関心を持つきっかけとなり、教養を深めることができました。 
 
【修了書授与】

 
【ボストン美術館】

7日目 323日(土)    

 本日はお待ちかねの終日「ボストン市内班別自主研修」でした。日本で事前に下調べをした計画でグループ毎に行動しました。今朝は最低気温1℃、風が強く雪がちらつく中での集合となり、冬がぶり返したような気候となりましたが、この班別行動がボストンでの研修最後となるため、出発前から気合の入る生徒、感慨にふける生徒など、複雑な感情を抱いていたようした。日中は風が強いままでしたが、気温は上がり晴れ間も出ていました。

訪問場所例:
・ボストン公共図書館  
・マサチューセッツ州議事堂  
・トリニティチャーチ

・クインシーマーケット  
・ニューイングランド水族館 等、

 練りに練った計画でできるだけたくさんの場所を巡り、小さなトラブルはありましたが、解決方法をそれぞれが判断し対応しながら全班無事に再集合場所に戻り、自主研修を成功させました。ここまでの研修で不測の事態にも対応ができるようになり、精神的にも強くなったように思います。

 
【班別行動の様子】
 
【班別行動の様子】

7日目 324日(日) 

   
 ホストファミリーとお別れ。ボストン空港からミネアポリス空港で乗り継いで、空路日本へ。    

8日目 325日(月)    
 羽田空港到着。入国手続き後、バスで学校へ向かい、到着後解散。